JabBee Official Website/DISCOGRAPHY/ディスコグラフィー

「そばに君がいれば」self liner notes

01.new song
この曲は、3年位前に書いた曲。気になるコード進行をポロポロ弾いていて、サビのメロディーと歌詞が鼻唄で出てきて、そこからその日のうちに数時間で一気に歌詞まで書き上げたんだったと思う。
70年代ニューソウルのバラード的な感じに仕上げたくて、リアレンジした。
しかし、アコギのカッティングが、いろんな意味で70年代ニューソウル的ではなくて気に入っている(笑)。どこか、はみだしたいんだよね。僕は。いつも。
歌詞については、悲しみに暮れる人に、どんな優しい励ましや慰めより、結局「君は君をはなさないで」って言うのが一番正直なところかなあ、と思ったのだった。誰でも悲しみは自分で乗り越えなくちゃならないものだから。

02.冬空
この曲は初め普通の8ビートで作って、演奏もそうしていた。
今回のアルバムに入れようと思ってから、思い切ってレゲエに近い感じにリアレンジしてみたら、思いのほか良くて(笑)。冬空ってタイトルで、カリブのレゲエってね。(笑)
やぎちゃんの弾いている、ドブロでのアルペジオがとても気に入っている。ドブロって、スライドするとオ〜イエイ、ミシシッピデルタ〜って感じなんだけど、こんなふうにアルペジオで弾くと一気にカリブ海を感じたりするから不思議。タジ・マハールのミュージック・ファ・ヤとかかなりヒントになってる。
歌詞のやるせない世界とメロディーの明るさのギャップも気に入っている。(笑)

03.愛のために
これは、このアルバム用に書き下ろした曲。レコーディングしようと決めてから、どうしてもあと2〜3曲必要だと思っていて、複数の曲を同時進行で書き始め、3ヶ月くらい出来なくて,頭の中ぐっちゃんぐっちゃんになっていたある日、深夜ロードバイクで青山墓地の中を走っている時に、鼻唄であれよあれよと言う間に20分くらいで歌詞まで出来てしまった。あわてて自転車止めて、鼻唄iphoneに録音して(笑)。
これは、歌詞もメロディーもシンプルで、アレンジは、清志郎‘sチルドレン的な、サムクックやオーティスといったリズム&ブルーズしか無いと思った。ホーンセクションがバッチリそれ風で気に入っています!。アウトロでのやぎちゃんのいなた〜いギターも聴きどころ!。

04.風が強い日
これも、結構最近の曲。ずーっと同じコード進行がループすることで、何の変哲も無い(本当はそんなことはないんだけどね)日常を象徴させたいと思った。「風が強い日」なんて、どうってことは無く、いくらでもあるでしょ?そんな日常を繰り返す事が、本当に普通の事なんだけど、実はそこから全ては産まれるんだよなあって、思った事がきっかけで書いた曲。アレンジは、淡々としていながら、浮遊するみたいなドブロのスライドがとても気に入っている。それから、ladyeriaのぴったりとついてくる声の距離感が絶妙だと思う。


05.雨上がりのふたり
これは、実は19歳の時に書いた曲。歌詞だけ、今回のアルバム用に書き直した。
俺の家で、当時のバンドメンバーと友達と、うだうだ過ごしていたある夏の日に、スケッチブックにくだらない落書きや、くだらない絵日記等書き付けていた時に、おもしろがってふざけながら書いた曲。「雨降って、地固まらず」って言うのが当時のタイトルで。(笑)本当にふざけて書いた曲だったから、ライヴで演奏した事なんかも無くて、でも、なぜか俺は25年間覚えていたんだ。(笑)それを、何となくハミングで歌ってみたら、「あれ?いい曲だなあ」って思ってしまって。(笑)晴れて25年越しに日の目を見た曲。レコーディングでは長いインスト部分の後に歌が入ってくると言う設定で録ったけど、やっぱ前半長過ぎると言う事で、フェイドアウトして、2曲に分けた(笑)。09曲目に入っているのが後半(笑)。正解だったと思う。(笑)

06.かえりみち
2年くらい前だったかなあ。ある日の深夜に、代々木上原辺りの住宅街の裏道で、俺が坂道を上っていると、前方にとても感じのいいカップルが歩いていた。決して若くはなさそうな二人だったのだが、服装のセンスも何となく良くて、何より手をつないでいる二人の佇まいが、とても素敵だった。「くーっ、妬けるねえ」なんて思いながら俺はそのままウチまで歩いて帰ってきた訳だが、その時の「絵」が妙に印象に残っていて。坂道の下の方から見た、坂の上の方を歩いているそのカップルの感じのいい「絵」がさ。それをモチーフに妄想を膨らませて、書いたんだ。
ハッピーな感じの、ちょい明るめのテンポのあるソウルチューン。でも、なんか明るいままで終わるのも爽やかすぎるなあ、って思って、最後にけっこう泥臭い7thのjamを加えた。これで、曲がぐっとしまった感じになったと思う。
あのカップル、別れたりしてないといいけどなあ。(笑)

07.追憶
4年くらい前、高円寺に住んでいる時に書いた曲だ。
朝まで、曲を作っていて、何日もかけて苦労して書いたのを覚えている。
男って、結構こうなんだよねえ。女々しいの。(笑)
勝手に、ロマンチックだったりしてさ。(苦笑)
勝手に、絶望してみたりさ。
そんな、どうしようもない男のやるせない部分をさらけ出してみたかった。
ガッツとゆうすけのリズム隊には、本当に最小限の音数でプレイしてもらった。そのスカスカな感じで、このグルーヴを出せたのは、流石の二人だったと思う。大成功だった。
大山さんのミュートの効いた、枯れたトランペットの音色が、かなりいい感じの風景描写をしていると思う。エンジニアの杉山さんが、「自分の仕事の中でも、かなり印象的なミックスになった」と言っていた。僕にとっても、このアルバムの中で、密かにマスターピース的存在になった曲。

08.誘惑
これも、結構このアルバムの中では古い方の曲だな。
この曲、歌詞をladyeriaが書いた。歌詞が全部先に出来上がっていたところに、僕が曲をつけた。
出来た当初は、もうちょっとさらりとした印象のリズムでプレイしていた。けれど、この歌詞の持つ、ちょっと妖艶で、ダルな世界を体現したいと思って、大幅にリアレンジしてみた。ホーンアレンジもちょっと泥臭く。
2000年代の、HIP HOPを通過してきた、ソウルミュージックって言う感じにしたかったんだ。
歌詞の世界については、「僕の虜」って言ってはいても、実は男にはなかなか書けないんじゃないかなあ。こんな風には。少なくとも僕には書けないかも。なんか、女子目線の「こんな風に誘惑されてみたい」って世界な気がするんだなあ。それを僕が歌うから、また面白いんだけど。


09.雨上がりのふたり
05曲目に同じ。

10.music
この曲が、このアルバムの中では一番古い曲だ。
この曲も、出来た時は、このアレンジではなかった。今回、レゲエっぽいアレンジを施して、全く別の曲に生まれ変わった感じがする。ミックスも随所にダブ的な処理を入れたりして。ゆる〜いアコースティックなレゲエが古いロックステディーやラヴァーズロックに出会ったみたいな感じにしたかったんだ。
歌詞に関しては、実際の物理的な旅と言うより、過去から未来へとつながって行く音楽の旅について歌っている。まだまだ、これからいろんな音楽の旅を続けたいという欲望と、自分の中に今でもくっきりと残っている、新しい音楽に出会った時の初期衝動。今でも忘れられないあの匂いは、音楽の中で瞬時に蘇る。

11.そばに君がいれば
4年ほど前か、弾き語りであちこちツアーをした。旅から帰って、携帯で撮影した何枚かの写真を眺めていた。九州から本州へ帰る途中の関門海峡あたりで撮った写真を眺めている時に、ふと、浮かんだ「一人でてくてく歩いています」という一節をキーにしてその日のうちに一気に書き上げた曲。
今回、この曲はすぐにアレンジできた。70年代のHiサウンドをモチーフに、地を這うようなあの8ビートにしようと決めた。もうこれしかないと思った。メンバーにアン・ピーブルスとか聴かせて(笑)。これこれ!って。
ガッツのスネアのチューニングとかも、「ドスっ」っていう音色にして。ホーンセクションもザラっとした音色のいなたいフレーズ。かなり気に入ってます。
歌詞は、いまはそばにいない君が、何気ない今日を思い出せなくなっちゃうくらいの未来に、そばにいてくれたらいいな、という、なんて事ないラヴソング。そのなんて事ない感じが気に入っている。

12.悲しみが消えるまで
一曲くらい弾き語りの曲があってもいいなあと思い、レコーディングに入る1週間くらい前に滑り込みで完成させたフォーク的なナンバー。弾き語りを想定して作ったので、特にアレンジもしてなくて、ちょっとギターとコーラスをかぶせたり、くらいに考えていたのだけれど、プリプロの段階で、ジェンベ、ベース、アンビエントな感じのドブロのスライドを入れてみたら、ぐっと来た。ジェンベは手で叩きながら、ブラシも使っている。この曲に関してだけ、歌まで全て一発録音した。全員で。そんな空気感を残したかったんだ。そのトラックを聴いていて、最後の部分で枯れた感じのホーンをちょっとだけ入れたら?と思って自分でプリプロ的に、普通のリハスタで、ホーン隊をかぶせてみたら、なんか、いい感じの夕暮れ感が出て、そのままそれを本トラックとして使っている。
歌詞は、夕陽を見た時に陥りがちな、意味の分からない寂寥感とごちゃまぜになって湧いてくる希望に似た感情。「行かなくちゃなあ」っていう、漠然とした重たい今日への決別。
そんなメッセージ。向けた相手は、きっと自分だと思う。